百十七日目 太田省吾作「水の駅」
を読みました。
ものの本で存在は知っていた無言劇。
その戯曲は戯曲というよりも上演台本に近いみたいで、前書きに、テーマやモチーフによって稽古をしていった結果、残ったものを記録した。というようなことが書いてあり。無言劇なのでセリフではなく、役者の行動がかかれていて、しかも同時に進行する三つの指示が三段に分けて書かれてありました。
そして前書きの最後に書かれている。この上演は二メートルを五分で歩く速さで行われるという文句。
舞台の真ん中に水道、蛇口があり、基本的に人物たち
が訪れその場にいる人と関わり、去っていき、別の人たちが訪れ関わり、去っていくという流れなのですが、全てが二メートルを五分で歩く速さなので、去っていったと思っていた人物たちがまだ捌けておらず、また戻ってきたり、目線がぶつかるタイミングなどが多くあり、上演するのには大分根気が要りそうな本でした。
またベケットのゴドーをまちながら、幸せな日々、言葉なき行為などを思わせるシーン、モチーフなどを多く発見し、個人的にも楽しく、まだまだ勉強不足なことを痛感しました。
またそれをいかに消化し、自分に取り込むか、知識を情報で終わらせないこと。それが僕の課題です。